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いて、国際高等研究所への期待は依然根強いものがあります。では、国際高等研究所はこれから何をなすべきでしょうか。未来に向かって長期的な視点に立った時、国際高等研究所が社会から求められることは何でしょうか。それらを考える前には、国際高等研究所としての課題認識と活動の方向性を明確にする必要性があります。そのため、理事長の諮問機関として、2013年10月1日に「IIAS Strategic Committee(略称:ISC)」を発足させました。ISCは、本法人の運営戦略及び事業活動の基本方針など、中長期的な観点から本法人の運営全般に係る最重要事項について合意形成を図り、本法人としての意思決定に資する助言あるいは提言を行う機関です。ISCでは、けいはんな学研都市ならびに国際高等研究所の創設を構想された奥田東先生(国際高等研究所初代理事長)らが過去目指されたものを、現在において再整理した上で、あるべき未来を見据えることに重点を置き、発足以来これまで5回の会合を開催しました。これまでの議論を通して、国際高等研究所としての課題認識は以下のとおりであると意見がありました。1.設立当初に比べて、ビジョンや方向性が不明確になっており、さらにはその社会的認知も低下している。2.「けいはんな学研都市の中核機関」として設立された経緯を持つが、けいはんな学研都市が当初期待された学術面、産業面、地域振興面での効果を十分発揮できていないとされる現状を改善し、基本的な方向感を明示し、諸方面を繋いで相乗効果を創出していくといった「けいはんな学研都市の知的ハブ機能」を発揮するに至っていない。3.公益財団法人への移行に伴い、社会との関係性を見直し、生み出すべき公益や社会との繋がりを強化すること、さらにはそれを明確に社会に宣言していくために「理念」や「目的」を見直し、まさに今後、何を社会的課題として捉え、その解決に向けて、どのような活動を行っていくべきかを、原点に立ち返って検討する必要がある。このようにISCの議論の中でも、「原点回帰」がキーワードとなって議論が交わされており、8月にまとめる答申の骨子を踏まえ、年度内に最終答申(提言)をまとめる予定です。また時を同じくして、創設記念月の8月を皮切りに、創設30周年記念事業として公開フォーラムを開催します。公開フォーラムでも、原点に立ち返って国際高等研究所の30年を振り返り、国際高等研究所の基本理念やこれまでの足跡にも触れながら、改めて国際高等研究所の存在意義やあり方、活動の方向性を広く認識していただく機会にしたいと考えています。ISCの提言とこれらの公開フォーラムシリーズを通して、これからの国際高等研究所のあるべき姿を明らかにすることにより、学術研究機関としての確固たる存在意義を示すとともに、公益法人として一般の方々にとっても身近な存在であることを意識した、より未来志向の事業活動が展開できるよう社会貢献に努めてまいります。IIAS Strategic Committee(ISC)委員名簿議長長尾真京都大学名誉教授・元総長委員有本建男政策研究大学院大学教授大原謙一郎公益財団法人大原美術館理事長笠谷和比古大学共同利用機関法人人間文化研究機構国際日本文化研究センター教授黒木登志夫日本学術振興会学術システム研究センター相談役、東京大学名誉教授村上陽一郎東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授August.2014 vol.86IIAS NEWS LETTER3