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概要

nl86

August.2014 vol.86カンファレンスの初日に開催された歓迎レセプションには、山下晃正京都府副知事(国際高等研究所評議員)、河井規子木津川市長、木村要精華町長をはじめとする、けいはんな学研都市立地機関の関係者が来賓として列席されました。山下副知事は挨拶の中で、「高等研カンファレンスをはじめ国際高等研究所で交わされた議論から生まれた研究テーマが、けいはんなオープンイノベーション拠点(旧「私のしごと館」)で活用されることを望みます」と、国際高等研究所並びに高等研カンファレンスに対する期待を述べられました。カンファレンスの開催中には、裏千家から寄贈された茶室「雅松庵」において、茶会を開催しました。茶室「雅松庵」は、1992年4月に当時の千宗室家元(現在の千玄室大宗匠)から寄贈されたもので、「世界の頭脳を結集する国際的な研究所にあって、国内外の学者にとっての安らぎの場となり、茶道を通じて伝統的な日本文化に触れ、日本理解の促進につながることを期待する。」とのご好意によるものです。その言葉のとおり、海外からの招待講演者が日本の伝統文化に慣れ親しむ機会にもなり、茶室を訪れた研究者の方々は、茶室に流れるゆるやかな時間に身をゆだね、互いの交流を深めておられました。高等研レクチャー2014「クロマチン・デコーディング-クロマチンの動態と高次生命現象への展開」等研カンファレンスに引き続き5月16日に高は、東京大学伊藤謝恩ホールにて高等研レクチャーを開催しました。高等研レクチャーは、高等研カンファレンスで議論された内容を、国内の大学院生や若手研究者、研究者、知識人一般に分かりやすく講演することを目的にしたものです。今回は「クロマチン・デコーディング-クロマチンの動態と高次生命現象への展開」と題して開催され、3名の講演者から、生命設計のブループリントにもたとえられるクロマチンの多様な機能について、構造生物学的側面から高次生命現象まで幅広い視点で紹介されました。レクチャーには約230名が参加し、その多くは大学院生や若手研究者が占めました。彼らからは、「Long Noncoding RNAsの機能がなんらかの病気に関係する場合があるか」など、質疑応答でも積極的に質問が出されました。講演者は、「例えば癌を例にとると、ある種の癌抑制遺伝子の発現をLong Noncoding RNAsが抑えることは十分にあり得るため、Long Noncoding RNAsは明らかに様々な病気に関連しているといえる」など、質問のひとつひとつに丁寧に応じていました。また、休憩中や講演終了後にも、多くの参加者が自ら3氏に歩み寄って熱心に質問する光景が見られ、若手研究者らの今後の研究活動に大いに刺激を与える機会になりました。Thomas R. Cech“When RNA is Not the Message: Ribozymes, Telomerase, and Long Noncoding RNAs”RNA機能の広がり:染色体を造るJohn Abelson“The role of RNA and Proteins in the removal of introns from pre-mRNA”スプライシングにおけるRNAとタンパク質協同の妙技Timothy J. Richmond"The Nucleosome: Guardian and Gateway to the Genome”ヌクレオソーム:ゲノムを守りゲノム情報を読み解く12 IIAS NEWS LETTER August.2014 vol.86